2023.10.28-29で開催された【大菩薩ジオツアー】の報告です!

第1回の昨年は山岳部の公式山行にくっつける形で実施したので(=参加者は全員山岳部員)、参加者募集の形で実施するのは今回が初めて。残念ながら武蔵現役生はいなかったのですが、合計6名が参加し無事に開催することができました。
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【参加者の顔ぶれ】
・山岳部OB 2名
・山岳部OBが顧問をする栄東高理科研究部の部員(高1)
・都武蔵同窓生の娘さん(大学生)
・都武蔵同窓生の研究仲間(大学院生)
・共催者「ジオトレアカデミー」の社員 1名

【開催内容の詳細】
「ジオトレアカデミー」さんがまとめてくださったものを参照↓
https://note.com/geotrekking/n/ne2bd65ec068d


参加者だけでなく先生にも満足いただけたようで、私としても手ごたえを感じています。
ただ、やっぱり残念なのは武蔵現役生が参加しなかったこと。「開催予告」の閲覧数もまずまずだったので何人か来るんじゃないかと思っていたんだけど。。文化祭で大々的にアピールすればよかったな、と後悔。
また私の代周辺で、私だけでなく「松崎先生(当時の地学の先生)」ファンが多いので、その中でも誰か来てくれないかな~と期待していたんだけど。。
まあ、いずれにしても、『来年も実施します!』
今回残念ながら都合がつかなかった方、参加せずに後悔されている方、ぜひ来年に期待していてください!!

【後日談①】
ジオツアー内でも触れられた「最近あった”謎の津波”」や「”東北日本”は”北米プレート”」について、ちょうど開催2日目の東京新聞に記事が載っていたので、先生にコメントをいただきました。
●東京新聞10/29の記事
 a『10年周期「謎の津波」の原因は?』https://www.tokyo-np.co.jp/article/286680
 b『「東北日本」なぜ北米プレート?』https://www.tokyo-np.co.jp/article/286681

●久田先生のコメント
a…このような地質現象が起こる可能性は大いにあると思います。津波は急激な海底改変によって起こるので、火山活動と絡めて考えることは意味があります。今後は、海底に噴火活動の痕跡があるのかないのかが調査の対象となるでしょうね。
b…プレートは硬い岩板を意味します。ちょうど固焼きせんべいと思ってみてください。固焼きせんべいも思いっきり力を加えれば、割れますよね。そのようにしてできた小さめのプレートは、大きなプレートの間に挟まれて、むしろ大きなプレートの動きに翻弄されます。おそらく東北日本が乗っているプレートは、ユーラシアプレートから別れて、北米プレートに合体したのでしょう。

…ほかに、先生が現在研究されている「地質と水と日本酒の味の関係」に関する論文も預かっています。興味のある方がいらしたら連絡ください。

【後日談②】
「地学に興味をもった中高生にお勧めの本は?」との投げかけに対しても、先生から返答いただきました↓
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私がすすめる図書は「生命の惑星上巻・下巻 ビッグバンから人類までの地球の進化」(京都大学学術出版会、ラングミューアーとブロッカー著・宗林訳、2021年各2000円)です。
本書は2014年に発行された同名の書籍(6200円)を上下巻二分冊されました。本書はもともと「なぜ地球は人が住める星になったか? 現代宇宙科学への招待」(BULE BACKS 講談社、1988年、ブロッカー著)がもとになっています。副題にもあるように137億年前から現代にいたる長い道のりを、新知見をもとにまとめていることが特徴です。また全21章のうち、最後3章が人類に関わる問題をあげているのも興味深いものがあります。訳書ですが、大変読みやすくなっています。かなり専門書的な部分があります。
もっと気軽に読みたいということであれば、「知っておきたい!地球のしくみ」(東京書籍、ファーンドン(文)・ハッチンソン(絵)・久田(監訳)、2019年)がおすすめです。絵本の形をとっていますが、内容はしっかりとしています。
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私が当日持って行き忘れた本はこれです↓。
「大地の動きをさぐる」杉村 新 岩波現代文庫 https://www.iwanami.co.jp/book/b626375.html
…古い本の復刻版のようですが「自然を相手にした研究の醍醐味を知る者だからこそ綴れた、金字塔的名著」だと私も思いました。高校時代の地学授業で松崎先生が「だい、だい、大発見ですね~!」と言っていたのを思い出しながら読みました。


【収支報告】
事前アナウンスの通り「参加費-実経費」を講師料等としてジオトレアカデミーに支払いました。決して充分な額ではないですが、昨年度は完全ボランティア(交通費すら出していない)だったので一歩前進。

●収入(参加費) 合計¥43,000.-
 他校中高生1×@5,000+大学生2×@6,000+都武蔵関係者大人2×@8,000+その他大人1×@10,000

●支出 合計¥43,000.-
 ヒュッテ利用料(大人8+中高生1)   8,500
 食材費(初日夕+翌朝食+飲料) 15,940
 実踏時介山荘での休憩費(甘酒代)   3,650
 ジオトレアカデミーへの講師料等* 14,910
  * 久田先生への講師料の他、先生を含むジオトレアカデミー3名の出張費やその他経費を含む

…今後もヒュッテベースで参加費をとるイベントを行った際には、その収支報告を公表していきます。

以上、開催報告でした!!